別項で「腰骨がピリピリ」という症状を挙げましたが、同じように仙腸関節(せんちょうかんせつ)が歪んでも、両側の腸骨(ちょうこつ=こしぼね)にではなく、仙腸関節(=お尻のあたり)そのものや、座骨あたり(片側のお尻)に症状が出ることもあります。
むしろ、こちらの方が多いでしょう。
たとえば、仙腸関節炎などもそうですよネ。
一般的にお尻って、ふくよかなイメージがあるかもしれません。
しかし私の印象ですと、症状のある方のお尻は全体的にゴツゴツで、骨自体が過敏な感触があります。
また、奥にある梨状筋(りじょうきん)などがこわばっていると、手を当てていてもとにかく痛そうな反応が伝わってきて、いたたまれなくなったりします。
症状の激しいのになりますと、仙腸関節同士が癒着している感じになっていて、それが弾力を取り戻し、離れ(剥がれ)ていく瞬間、痛みを感じることもあるようです。
ただ、いちど弾力を取り戻せば、あとは安定していきます。
それと女性の場合、この症状を持っている方は、意外と生理痛もお持ちですね。
いや、意外というよりは、ホントは「やはり・・」という気持ちの方が強いのですが・・
生理のことにつきましては、別項を設けていますので詳細は省きますが、きちんと調整をすれば、多くは生理痛も解消します。
これもとにかく、直接の原因は仙腸関節にあることが多いですので、「ピリピリ」にも書いた施術をします。
あるとき、右側だけにいろいろ症状があり、お尻にも痛みとしびれがあるという方が来られました。
このように、からだの片側に症状が集中するというのも、実に多いですね。
これはやはり、片一方に負荷がかかっているわけです。 そうすると骨盤自体が一律でない、不自然な圧迫を受けますので、そこから腰の骨にも影響が及ぶ可能性が出てきます。
またこの場合は、お尻も同じ側だけが痛みますのと、重心の不均一もあります。
で、上記の施術はおこなうのですが、これは痛い方だけではなく、必ず両側やります。 なぜなら、痛い側だけに問題があるわけではないこともしばしばあり、たとえば片側だけが硬直し、方側だけが過剰にゆるむなんてこともあるからです。
ひとつ書き忘れましたが、これは腰痛全般に言えることですが、骨盤のお尻側だけではなく、お腹側も診ることが大切です。 なぜかといいますと、お腹の深部にギュッと拘縮したコリがありますと、それが骨を引っ張るという悪さをして、具合を悪くすることがあるからです。
とにかく昔の事故もあり、頭部、顔面、肘などなど症状の宝庫のような方でしたが、メインは足の施術で、それをするだけでも全体の症状がやわらぎます。
ひとつひとつの症状は、それぞれ起こった古さもあったりしますので、すべてが同じようにとは限りませんが、とにかくお尻だけはすぐに取れました。
全体的には4回くらい施術をして、ほぼ快復しました。
大切なことは、コッているからほぐすとか、歪んでいるから矯正するとかいうことではさらさらなく、そこがコッている、あるいは歪んでいるのは「いかなる必要があって」そのような状態になっているかを検証することです。
必要があって症状があるのに、その症状だけをどうにかしようとしたって、それは百万回やったってムダじゃないだろうか、なんて思うんです。
横浜市戸塚区 整体 愉和 清水