昔の正義のヒーローが、悪の前に立ちはだかるとき、「人よんで○○仮面ダ!」と叫びながら、両手を腰に当てていますよね。
その手を当てている部分を、いわゆる腰骨(こしぼね)と言いますが、解剖学的な正式の名称で言うと、「腸骨(ちょうこつ)」ということになるのだそうです。
「こしぼね」でも「ちょうこつ」でもよいのですが、ただ、どうも偏ったからだの使い方をしている方というのは、そのあたりが硬くなっていることが多いようです。
私がさわると、カチカチです。
さわられてるご本人は、ひどいのになるとピリピリという痛みを感じるようです。
これは、なにか作業をするときなどのからだの使い方に偏りがあり、それが、いわゆる骨盤内の仙骨(左右の腸骨のあいだにある、体の中心にある骨)にねじれるような負荷をかけ、そのねじれが両側の腸骨に圧迫を及ぼしている、というようなことも意外と多いようです。
かくて、さわっただけで痛みを感じる腰骨(こしぼね)ができあがってしまうのです。
ピリピリするような痛みがすでにある場合、骨盤(仙腸関節)は「もう限界だぁ、勘弁してくだせえ」と泣いているわけです。
これでは、正義のヒーローにはなれませんよね・・
どのような作業をするにしても、必ず足を使います。
この世に股関節があり、それが骨盤の下にあるかぎり、腰骨は足のバランスの影響を受け続けます。
つまり、「足元を見よ」というわけです。
骨盤なら骨盤だけを変えようとしても、なかなかムズカシイ。
なぜなら、足首の角度がヒザを制御し、そのヒザの状態が股関節に反映され、そのバランスの範囲でのみ骨盤(仙腸関節)は動かざるを得ないからです。
その可動範囲を超えたからだの使い方をしていますと、ピリピリになる可能性が高まるのです。
20代の男性で、やはりピリピリの見本のような方が来られました。
最初、バランスを確認する意味で、左右の腰骨の高さを確認するのですが、ただ「さわるだけでもピリピリする」とのことでした。
私がさわっても、こわばって硬いですし、もちろん、高さも違います。
でも、このような症状も、経緯を読めれば、ほとんどは難しくありません。
「腰が痛い!」でも書きましたが、片方の手をあおむけになったヒザの下に当て、もう片方を足の先に当てて、微妙に角度をつけますと、からだの方で自発的にゆるんでくるからです。
この方も、初回ですっかりゆるみ、終わったあと再度腰骨を診ますと、左右の高さも揃い、ピリピリはほとんど残ってないとのことでした。
あっさりととれてしまったのでちょっと呆気にとられていたようです。
まぁゼンブとは言いませんが、こんなことも多いです。
ただこの方の場合は、けっこう急性のものでしたし、年齢的に若かったということもあるかもしれません。
また、症状がなくなったからご破算にできるということでもなく、その状態を安定させるために数回、操法をおこなうのが望ましいでしょう。
要は、「足も診る」ということがポイントなのですね。
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もちろん足だけではなく、手から腰骨にテンションがかかって大変なことになることもあります。
要は、本当に影で悪さをしているのはどこであるかをしっかりと解読する、これがなにより重要であることは云うを俟ちません。
また、その後に再びバランスを崩さないようなからだの使い方をすることも心がけていただくことも大切です。
横浜市戸塚区 整体 愉和 清水