私がこれまで診てきたぜんそくの方は、小児ぜんそくの経験があるということが、やはり多かったです。
ところが最近、そういった方ではなくともぜんそくの症状が出ることが多くなってきたように思います。
原因はいろいろ考えられますが、いずれにしても胸がこわばっているという状況はいっしょです。
私が診た方というのは、後から胸郭に外的に衝撃を及ぼした痕跡が、なにかしらありました。
たとえば、交通事故などです。
ただし、それ自体は昔からあったわけで、なぜいまになってぜんそくが増えてきたのかは、ハッキリとはわかりません。
・・特にバブル崩壊以降、時代の閉塞感が蔓延してきました。
戦後の日本の歩みは、とにかく右肩上がりを基調にしてきましたし、それでなんのモンダイもありませんでした。
会社に入れば終身雇用制度と年功序列という二本の柱に守られ、退職すれば退職金と年金で守られていましたよネ。
ところがいまはいつクビを切られてもおかしくないし、年金は破綻しそうですし、要は、未来に希望を持つことがムズカシクなっています。
端的にストレスが増えたということはもちろんあると思いますが、単に仕事内容ということではなく、先が見えないというストレスが大きいように思います。
そういったものが溜まり、日頃臨戦態勢のなかに身を置いているのと相まって、からだ(心身)がとても過敏になっているのではないでしょうか。
私はなんとなく、そんな気がするのです。
ただ考えようによっては、レールに乗っかって、わかりきったルートをただなぞるだけの人生よりも、何倍もおもしろいとも言えるかもしれません。
いつものように全身のバランス、重心を整えていきます。
鎖骨(さこつ)を調整し、さてこんどは胸肋関節(きょうろくかんせつ)をと診ていきますと、どうも右側の肋骨の二本がイヤな感じがします。
イヤな感じ・・、これは表現としてはいささか無責任な印象もありますが、物理的に則して表すのはちょっとムズカシイ。
ただ、いつも人様のからだを拝見し、ていねいに手指で確認していきますと、そのような感触に出会うことがしばしばあります。
敢えて言いますと、なんとなくモヤッとしていて、不安定な感じです。
ズレてるとか歪んでるとかではなく、もっと直感に響いてくるような感触なんです。
で、うかがいました。
「以前、ここになにかぶつかったことはありませんか?」
そうしましたら、昔空手をやっていて、ちょうどそのあたりに「突き」を喰らったことがあるそうです。
なるほど・・、そういったことも原因となるのだなァと感慨にふけりましたが・・
つまり、その箇所に変動が起こることによってその奥にある気管支に間断ない圧迫がかかり続けて過敏となり、ぜんそくの症状が出たということなのでしょう。
その部分、他に座骨神経痛、指の曲がらなかったのをふくめ、4回でよくなりましたので、様子を見ていただくことにしました。
操法はおよそ1週間から2週間おきの頻度でした。
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