喘息(ぜんそく)はアレルギーの問題であるとか、体質の問題であるとかいいます。
もちろん、間違いはないのですけど、それ以前に、そうなりやすいバランスがあるのではないかというのが、日々の操法から感じられる偽りのない実感です。
実のところご来室される喘息(ぜんそく)の方を診ていますと、みな一様に胸骨(きょうこつ)がこわばっていて、呼吸が浅い。
これでは肺や気管支に圧迫がかかっても、不思議ではありません。
ご自分の胸をさわってみてください。
弾力がありますか?もしかしたら、コチコチな感じがしませんか?
また、息が浅くしかできない方は、ご用心。
ではなぜ、こわばってしまうのでしょう。
胸骨というのは上下に伸びている胸の中心にある骨です。
実はこの骨は、気管支と直で連動しています。
つまり、胸骨がこわばると、気管支もこわばるというわけです。
なぜ胸骨がこわばってしまうのか。
ケースとして多いのは、頭部からテンションがかかっているパターンです。
小児ぜんそくがあった方などは、ほぼ例外なく頭部のこわばりが原因になっています。
ではさらに、なぜ頭部がこわばってしまうのか?
これは、意外と生まれたときになにかしらの圧迫があったことと関係がありそうです。
ただし、ここから先は推測にしか過ぎませんので、ここでくだくだしく述べてもあまり意味はありません。
しかし重要なことは、厳然として頭部のこわばりはある、ということです。
肩こりがひどいということで来られた女性は、まさに胸骨がこわばっている。
うかがってみると、やはりぜんそくの症状があるといいます。
昔に小児喘息(しょうにぜんそく)はなかったのに、ここ数年出るとのことでした。
最初は足からの反応がありましたので、足から整えてゆきます。
それから流れの反応を確認した上であらためて、上半身の末端である手首から肘を診、肩、鎖骨(さこつ)、肩胛骨(けんこうこつ)、頸椎(けいつい)と診ていきます。
細かいところでは、肋骨(ろっこつ)の隙間にある「詰まり」もほどくこともありますが、この作業は、できればおこなわずにほどける方が望ましい。
なぜかというと、この詰まりも2次的なものであることが多いからです。
そして頭です。
頭部がこわばりますと、これは胸部を直接引っ張ることもしばしばなので、黒幕となるべき最右翼と言えましょう。
施術が終わったとき、どのような感じが尋ねましたが、胸のあたりがスーッと軽くなって息がラクに腹まで入るようにもなり、もうぜんそくが起こりそうな気配はしないと言います。
この方は、それまで気管支拡張剤や強力なステロイド吸入をやっても症状は治まらなかったということでした。
初回の操法後、次回2回目の2週間の間、ぜんそくの症状は1回も出なかったそうです。
なぜそうなったかと言いますと、気管支喘息(ぜんそく)を治したからではなく、喘息(ぜんそく)が起こる必要がなくなったからなのです。
要は、喘息(ぜんそく)の症状を止めようとするよりは、喘息(ぜんそく)の必要のないバランスにしていくのが大切なのだということです。
もちろん、1回で全部よくしようというのはなかなか難しいお話です。
とはいえ、上記のように1回のなかで大きくバランスもからだも呼吸も変わることもしばしばあります。
ところが変化が大きかったときは、そのあとがホントに大事です。
気管の通りもよくなってますし、からだそのものも軽くなっていますので、数日は、それまでよりもいっそう慎重に生活をした方がよいでしょう。
頻繁に操法をおこなう必要はありませんが、およそ古い原因によるものですので、観察期間はできましたら長めにかけた方がよいです。
このような形できちんと受けられた方からは、そのままよくなってしまったというお話や、もしくはあきらかに季節の変わり目など、寒暖の差が激しい時期に出ていた症状が出てこなくなった・・というお話をいただいています。
「体質だから仕方がない、うまくつきあって・・」というお話を聞きますが、体質とは一体なんなのか。
私が診るかぎり、多くが言う「体質」とは、単にバランスの崩れた状態を言っているに過ぎないように思えます。
要は、バランスを整えてあげれば事足りることがどれだけ多いことでしょう。
これは、なにもぜんそくに限ったことではありません。
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