だいたい不安神経症やパニック障害の方は、胸が詰まっています。
よく、胸を使った感情表現ってあるでしょう?
「胸がつまる」
「胸いっぱいの哀しみ」など。
たとえば「怒り」を表現するのに、「頭にくる」という表現を古くから使いますよネ。
これは、頭脳で感じる不快さを表します。
誰かに、上から目線で間違いなどを指摘されたときなどに生じるような感覚とでも言えばよいでしょうか。
またこれも古来からある「腹が立つ」という表現は、感情的に、ある意味攻撃性を伴った不快さを表します。
ところが最近流行りの「ムカつく」というのは、主に胸の状態を表すものと言ってよいでしょう。
これはわかりやすく言いますと、より「空気感」に近いということになりましょう。
なんとなく胸のあたりがモヤモヤする、不快だ・・こんな感じでしょうか。
「頭にくる」、「腹が立つ」のふたつは、おおむね他者から不利益を受けることによって生じる感情といってよいと思いますが、「ムカつく」のは、なにもされてなくても発生することが多いように感じます。
ちょいと昔の話ですが、たとえば職場の同僚の女性社員が、「テレビで見たんだけどサ~、〇〇(タレントさんの名前)、なんかムカつくよね~!」などと話しかけられることがありました。
〇〇さんがキミになにかしたのかい?、などとツッコみたくもなりますが、いやいや私は君子危うきに近寄らず。。。
つまり、なにも不利益をこうむっていなくとも、怒りにも似た不快な感情は生じ得るのです。
それはさておき、Oさんはパニック障害の症状を訴えてお越しになりました。
まったく電車に乗れなくなってしまったものですから、会社にも行けません、休職されているとのことです。
それだけではありません、呼吸が苦しいので、仰向けもできないのです。
これだけみても、あきらかに胸が詰まっていることがわかります。
繰り返しになりますが、「パニック障害」、「不安神経症」の方は、だいたいが胸が詰まっているのです。
胸が詰まりますと呼吸が浅くなり、呼吸が浅くなりますと不安を覚えやすくなります。
では、なぜOさんの胸は詰まらねばならなかったのか、これを検証しなければなりません。
だいたいは古傷が原因になっているのですが、案の定、両手の指にそれぞれ突き指と骨折がありました。
手の指というのはからだの末端にありますが、そこが詰まりますと、その末端から遠く体幹までを引っ張ったりします。
からだ全体にテンションがかかるようになると言ってよいでしょう。
Oさんは、そのなかでも主に胸とお腹にかかっていたというワケです。
ですので手指を調整していきますと、一気に肩まわりがゆるんでご本人曰く、「ユルユルで違和感が・・」とのお話。
Oさんのこれまでの人生、ほとんどがこわばった状態だったので、一気にゆるむと変な感じがするのでしょう。
でもこれが、生来の状態なのですヨ。
初回が終わったあと、「このからだいいのかなァ?」とおっしゃっていたのが印象的です。
全体がこわばってしまっている場合、大本となっている元凶のこわばりをほどいたとき、一気にゆるむ箇所とタイムラグがあってからゆるむ箇所が両方、生じることがあります。
さほど古くなければ同時にゆるむこともありますが、古い場合は、どうしてもゆるみがまだら模様になってしまいます。
他の、まだゆるんでいない箇所は時間が経ってから徐々にゆるんでくるようですと、日に日によくなってくる実感を抱きます。
ただしこれば、「どういった病気や症状だったらこうなる」という法則はありません。
一気にほどけるケースもありますし、
上記のように時間が経ってからほどけるケースもありますし、
こじれている場合は一旦ゆるんでから、またこわばりが戻ってくるケースもあります。
正直なところこればっかりは、おからだの状態によります。
さて、休職していたOさん、こちらで2回操法をして、その後無事に復職されたそうです。
しかも、パニック障害の症状が出る前よりも体調はグッとよくなっているとのこと。
それはそうでしょう、悪さをしていた元凶はかなりほどけているハズですから。
そしていましばらく操法を継続していけば、もっと軽い心身になるでしょう。
いまでさえ充分からだが軽くなっているのだからこれで充分という考え方もあるでしょうし、いっそきちんと調整してみてもどこまでからだが軽く(生来の状態に)なるか試していただくのも、とても宜しいと思います。
横浜市戸塚区 整体 愉和 清水