首が痛ければ首を矯正し、肩が凝れば肩を揉み、腕が痛ければ腕に電気を当て、背中が重ければ指圧をし・・
もしもこれらがゼンブいっぺんにあった場合、そうとうな労苦をして施術することになるのではないでしょうか。
汗水たらして一生懸命、力の限りやって、もしかしたらようやく少しラクにすることができるかもしれません。
でもおそらく、これでよくなったという方はいないのではないでしょうか。
よく、「整体やカイロプラクティックなどの手技療法は、お客さんに喜んでいただけてお金がもらえるから、やり甲斐がある」というお話を聞きますが、それはあまりに安易な見方と言わざるを得ません。
どれだけ一生懸命やったって、よくならなければ感謝などされないどころか、一生懸命なあまり、やりすぎて毀してしまえば、恨まれます。
命にふれる仕事ですから、みずからを律した厳しさと、自分の利益よりもクライアントの利益を優先しなければなりません。
しかしさりとて、クライアントの要望だけを聞くばかりの御用達になっても宜しくない。
クライアントの意識ではなく、そのからだ(心身)の反応、裡なる要求をこそ、耳を傾けるべき源とせねばなりません。
まあこれが難なくできれば私も苦労しないのですが・・
ときに、私のところにも、ムリな施術で毀されたという方がよくお見えになります。
おそらく毀したセンセは、きっと一生懸命やっていたのでしょう。
でも、からだの法則を無視した強制的な施術であるかぎり、これからも毀し続けるでしょう。
折にふれ私は、このような療術家たちの尻ぬぐいのために存在するのか・・、というふうに思ってしまうことさえあります。
ところで上記のように、首、肩、腕、背中が同時に辛いという場合、別々に原因があるわけではなく、どこかにモンダイが生じて、そこから方々にテンションをかけるので、あちこちが痛くなることが多いのです。
それぞれを懸命になっていじくるよりも、どこが問題の大本なのかを見極める方が疲れませんし、よっぽど早くよくなります。
そのような方がおられたら、鎖骨(さこつ)も診てみましょう。
手が重い、しびれるなども鎖骨から来ることが多いですし、鎖骨(さこつ)の端は肩関節の一部ですから肩、肩胛骨(けんこうこつ)への影響もあります。
また、鎖骨(さこつ)がズレますと、肋骨(ろっこつ)もいっしょに連動しますから、裏側の背中も重くなり、そのようなバランスがそのまま頸部、頭部までも及びます。
このときの観察点は、ノドの下の鎖骨(さこつ)と胸骨(きょうこつ)の関節=胸鎖関節(きょうさかんせつ)です。
これが左右で形が違ったり、どちらかへ寄っていたり、ときには陥没していたりしますと、要注意です。
ここは必ず調整すべき箇所と言えましょう。
すべてがそうだとは言いませんが、高い確率で鎖骨(さこつ)の調整をすることによって首、肩、腕、背中の症状が大きく変わり、しばしば目から鱗が落ちるように軽くなります。
また、普段本人は気づいていない呼吸の深さも明らかに変わることも多い。
からだの自然法則に適った操法とは、間違いのない一点をしっかり見据え、的確な調整をすることの他ではありません。
横浜市戸塚区 整体 愉和 清水