いや別に、レントゲンやMRIなどの精密な検査を疑うわけじゃぁありません。
画像に写っていれば、それはちゃんとあるのでしょう。
しかし、それがホントに痛みの原因なのかということなんです。
なぜなら、ヘルニアと診断された方でも、たいていはからだの流れを読んで調整をすればよくなるからです。
現代医学的にみますと、まずは「痛みを起こす原因」を探し出さなければなりません。そうしないと、治療法も選択できませんから。
で、ヘルニアが見つかれば、鬼の首を取ったかのように、「これが原因だ!」ということになります。他に見あたりませんしネ。
しかし、ヘルニアが見あたらなかったら、特別異常なしということになり、それでも腰が痛いんだったら「腰痛症」としてかたづけられることになりましょう。
ここに、落とし穴があります。
「画像に写る異常」というのはヘルニアや骨折があるかどうかというくらいのもの。
微妙なズレやこわばり、テンションなどは、なんら写ってくれません。
しかしながら、それこそが痛みの原因の大勢を占めているんです。
だいたい、ヘルニアと聞いて愉快になる人はいませんよね。
ときには、人生半分失ったように思う方もおられます。
ただし先にも述べましたように、私の経験的にはかなりの確率でヘルニアが原因ではないケースが多いように思います。
ヘルニアが神経に障っている場合、そのヘルニアも精妙に処理します。
これは、微細な硬結(コリ)を感じ取り、それをほどく作業です。
もうひとつの与件として、ヘルニアの方のお腹には固い部分があることが多い。
これが背面の背骨や骨盤を引っ張り、テンションをかけているためにヘルニアが発症しているケースが多いため、特に真性のヘルニアではお腹を診ることも大切です。
この、お腹の処理だけで真性のヘルニアがよくなることも、実は多いです。
完全に足への神経が遮断され、足を引きずっていた来られた方が、帰るときは普通に歩けるようになった症例もあります。
このときも、主に調整をしたのはお腹でした。
ただし真性のヘルニアの場合、こじれているものはやはりすんなりとは行かないこともあります。
こればかりは、やはり実際におからだを拝見してみないことには、どれくらいこじれているかはわからない。
もしも排尿障害がある場合、病院で診断されることもオススメします。
馬尾神経にさわっていたりしますと、なかには手術適応のケースもあるからです。
20代後半の、座り続けることの多い仕事をしている男性。
激しい痛みのため入院をしましたが、結局手術とかをすることもなく退院をしました。
ところがものの5分くらい立ったり歩いたりしていると、ももの筋肉の裏側が痛んできて立っていられなくなるとのことで、愉和を訪れて来られました。
さっそくあおむけになっていただいて、両足の具合をみますと、片方の足が伸びてくる感じ、もう一方の足は引いていく感じが強く伝わってきました。
これでは骨盤の左右のバランスも腰にかかるバランスも、崩れているはずです。
そこでご本人に伸びてくる方の足をさらに伸ばしてもらい、「もしラクな感じがあったら、上体も伸ばしていって結構ですから」と言って、そのときの感覚(快復していく気持ちよさ)を表現してもらい、味わってもらいました。
私は足に手を当てながら、からだが変化していくのを、同じく味わっていました。
で、とにかくも初回でほぼ痛みは3割減とのことでした。
それから1週間後においでになりましたが、お話を聞いてみると、なにやら日に日に痛みが引いていったそうで、いまはまたさらにラクになっておられるとのこと。
2回目も、ほぼほぼ同じような操法と、あと細かい部分での調整をおこないました。
すると、終わった時点で痛みはまったくないとおっしゃいます。
結局、おそらくは真性のヘルニアの症状でしたが、2回で終わってしまいました。
ときに、ヘルニアと診断された方のほとんどは長くかからずによくなりますが、ただし、やはり上記に述べておりますように、すべてがこの方のようにシャンシャンと行くかといいますと、それはおからだの状態によりけりです(特に真性の場合は)。
ただひとつ、この文章を読んでいただいておわかりのように、治療に際し、力はいっさい要らないのだということ、そして、よくなるときは気持ちよく治ってゆくんだということは、頭の片隅にでも入れておいていただければと思うのです。
横浜市戸塚区 整体 愉和 清水